
1)口を動かす時、痛い。 痛む場所は耳の前の顎関節がある所が多いのですが、片側の顔から頭までが痛いように感じる事もあります。また、頬やこめかみの筋肉に痛みが出る事もあります。あごを動かす時に痛むというのが特徴です。もし、あごを動かさずにいる時も「ズキズキ痛む」といった痛みがあったら、それは顎関節症以外の病気を考えた方がいいかもしれません。
2)あごを動かす時に音がする。 あごに何の症状も自覚した事のない人達を対象としておこなった関節音の調査では、23〜39%の人に音があるといわれています。音の種類(カクカク、ザラザラ、ギシギシなど)および大きさに変化がなく、痛みがなければ、問題はありません。
3)あまり大きく口があかない。 あごを動かす筋肉に問題がある場合と顎関節内部に問題がある場合があります。前者はあごを動かす事で痛みがでるために、無意識の内に周囲の筋肉もあごを動かさないようにおさえてしまい、口があきにくくなります。また、後者はあごの動きを制限するような組織の変化が起きる事でも動きが制限されるようになります。
4)急に噛み合わせが変化した。 関節や筋肉に問題があると、それらが動かしているあごの動きを変える為に、かみ合わせが変わります。
5)その他の様々な症状。 顎関節症でみられるその他の症状は、頭痛、首や肩の痛みとこり、耳の症状(耳の痛み、耳鳴り、耳が詰まった感じ、難聴、めまい)、舌の痛み、味覚の異常、眼の疲れ、口の乾燥感などがあります。しかし、これらの症状が顎関節症に由来しているかどうかについては慎重な判断が必要で、顎関節症の症状ではない場合も多いものです。
早く痛みを引かせるためには顎関節と顎の筋肉を安静にすることが重要です。以下の注意をよく守ってください。
※口を大きく開けない・固い物を噛まない・長く噛まない。
- 食べ物は一口で食べられる大きさに切って、口を大きく開けることを避けて下さい。
- パンの皮の固いところや生野菜、肉など、固い物、長く噛まなければならない食べ物は避けてください。
- チューインガムは無意味に顎を酷使しますから、ガムを噛んではいけません。
※不用意にあくびをしない
- あくびのときはオトガイをこぶしでささえてください。いわゆる「なまあくび」、開口度は7割程度です。
※顎に負担をかけない(力をかけない)
- 仰向けに寝てください。枕は使用せず、頚椎の凹みにはタオルを心地よい高さに調節して下さい。
- 首の牽引や、頬杖をつくのはやめてください。
- 電話の受話器を顎と肩で挟むのをやめてください。
- 舌の位置・舌の先を、上の前歯のすぐ後ろの部分にあてて下さい。
- ゆっくり開閉口して下さい。この時、顎関節は前後に動きません。顎が鳴りそうなときにも有効です。
日常生活のなかで、上下の歯を噛みしめていないか自分で注意してみてください。歯の噛みしめやくいしばりは顎に大きな負担をかけます。
- 本来人間の上下の歯が接触するのは、物を噛むときと飲み込むときだけだということを覚えておいてください。
- もし、かみしめやくいしばり、歯ぎしり等をしていると、あなたの歯はもとより噛むための筋肉や関節は破壊され、治療しても効果が現われにくく、なかなか治らないという結果になってしまいます。このような癖がありましたら、ただちにやめるよう注意してください。
- かみしめや歯ぎしりの習慣をやめるもっとも効果的な方法は、唇を閉じて歯を離すことを覚えることです。「唇を閉じて、上下の歯を離し、顔の筋肉の力を抜く」ことを意識して努力してください。このことを1日に何度も練習してください。
この簡単な方法で顎の関節と筋肉は非常にリラックスし、緊張やこわばりから解放されます。そして筋の緊張によって引き起こされていた、顎や首のまわりの痛みは少しずつ引いていきます。
☆ただし、寝ている間のかみしめや歯ぎしりを治す方法はまだ見つかっていません。対処療法として、夜間のみスプリント(図1)を装着していただくことにより、短期の治療効果があります。最近スポ−ツ歯学の分野では、スポ−ツをする時に顎と歯を守る目的で装着し、スプリントを装着する事により、記録が伸びたという報告もあるようです。
図1 スプリント

実際の治療例として、図2,3に示しました。図2は顎の動きを横から見たところで、口がほとんど開かなかったことがわかります。図2は、スプリント装着10日後の同じ方の口の動きです。口が良く開くようになったのがわかると思います。
図2 スプリント装着前の口の動き
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図3 スプリント装着後の口の動き
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