
抜歯する理由〜その3〜開咬の改善(中編)
図1:開咬の方は奥歯しか咬んでいない 
図2:下顎頭が関節窩から引っ張られている 
図3:顎間ゴム
前回、前歯が咬んでいない人(開咬=オープンバイト)に対して、顎間ゴム(上下の歯に装着するゴム)で、上下の歯を挺出(歯槽骨から歯を引っ張りだす事)する治療例を説明しました。開咬は奥歯しか咬んでいない状況です。前歯辺りに上下の顎間ゴムを装着する(図1)と、奥歯が支点となります。そして顎関節の部分で、下顎の関節である下顎頭が、側頭骨の凹んだ関節となるところの関節窩から引きずり出される現象が起きます(図2)。その結果、関節部分にある靭帯や筋肉に緊張が加わり、耳の穴の前辺りの顎関節部に、痛みを感じることがあります。また、顎間ゴムを装着しなくても、開咬の方は口を閉じる筋肉である閉口筋の力により、顎関節部に下方への応力が加わり、顎関節症が起こりやすくなってしまいます。それを防ぐ為には、できるだけ多くの歯が接触できる噛み合わせを作ることが大切です。
矯正治療において顎間ゴムを使用するのが一般的ですが、上記の理由により、私はできる限り長期間顎間ゴムを使用しない治療を行っています。

|